Related Collectible
Lore
崇高のバンド
我々は共に築き上げる未来を祝う。
小さな音がイコラの注意を引いた。何かが時折そわそわと動いている。瞑想から覚めたイコラは、目を細く開き、テーブルの反対側に非難の目を向けた。
瞑想の邪魔をする張本人と思われたチャルコは微動だにせず座っている。ハンターの手の中には、静かなボイドの球が渦巻いていた。彼女は無実なのかもしれない。
彼女と比較しても、自分が落ち着いていないと感じたイコラは無理やり目を閉じた。呼吸を数え、頭を空にする。針の上に載せられた瞬間が引き延ばされていく。内なる光が、心臓と共に脈打つ。
衣擦れの音がした。
イコラはわざとらしく呼吸の音を大きくした。この瞬間の平穏を抱擁するのだ。これまでにも、何百という邪魔を無視して瞑想してきた。白熱した戦いの騒音や耐えがたい暑さにも耐えてきた。こんなところで負けるわけにはいかない。
だが、刃が鞘に納められるかすかな音を無視して、やっとのことで内なる目を自分に向けた時… イコラはどうせなら、日の当たる場所で友と時間を過ごしたいと思った。負けを認めてしまったほうがいい日もある。イコラはそれに気づけないほどお高くとまってはいなかった。
イコラは足を伸ばし、再びチャルコに目を向けた。彼女は落ち着いた様子で、ボイドの静寂に包まれながらかすかに光を放っている。「わかったわ。あなたの勝ちよ」とイコラ。
チャルコは一瞬にして動き出し、座った状態から飛び上がると、紫のエネルギーが消滅した。彼女は知ったようなずる賢い笑みを見せる。
鬱陶しいふりをしても意味はない。揃ってイコラの図書館から出ると、イコラはチャルコに並び、隠し通路に入った。やがて薄暗い人工照明が太陽の光に変わっていき、金と緑に飾られたタワーが視界に入ってきた。
イコラが太陽の温もりを浴びた瞬間、今まで感じていた違和感がなくなった。「ペイルハートでいろいろなものを見てきたわ」イコラは声に出して言った。
チャルコが立ち止まったイコラのために歩調を緩める。「それで?」
「説明する前に、シティで一番不味い餃子を食べたい気分」とイコラ。
チャルコが笑い、イコラはついに落ち着きを感じることができた。