Exotic Perks
曲芸師の集中
Stats
防御力 | 0 |
Curated Roll
Lore
トリノフンダマシのファサード
完璧な変装。
ゴミ漁りは優雅な趣味とはいえないが、他では得られないような情報が手に入った。彼女はネオムナの裏通りを捜し回りながら、自分のゴーストにそう言い聞かせた。
彼女の抱えているヘルメットは、ずっしりと重い。旧型のテクノロジーや、半分溶解したベックスの堆積物の中から引きずりだしたものだ。これは滅多にない収穫だった。わかったことは、高度に進化したバーチャル社会に住んでいる人々には、ほぼ完璧ともいえる廃棄物処理システムもあるということだ。
彼女は戦利品を調べ、内部から何かがはみ出ているのを発見した。取り出すと、5枚の黄ばんだ紙だった。かろうじて読み取れる文字がびっしりと書かれている。
遠征 #17: タラッサ。海王星の荒野では物足りず、さらに周囲をめぐる複数の衛星に向かうことにした—―
つまらない。彼女は読み飛ばした。
—―宇宙空間の様々な残骸が長い時間をかけて融合したようだ。紺色、緑色、黄色の色彩が、融合物の丘陵一面に波紋のように広がり—―
表現が大げさすぎる。
―—私は最初の訪問者ではなかったようだ—―
さらに飛ばした。
―—難破船—―
―—古びたアーマー、今まで見たことのないような色をしている—―
―—人間用には作られていない—―
ハッ。このヘルメットは人間にぴったりに見えるけど。
―—大型、多足類—―
彼女は目を見開いた。ようやく面白くなってきた。ページをめくると… 何もなく、白紙だった。
彼女は鼻で笑い、紙を丸めて肩越しに放り投げると、ヘルメットを持って大股で歩き去った。
遠征ログ #17:
海王星の第2衛星「タラッサ」: 海王星の荒野では物足りず、さらに周囲をめぐる複数の衛星に向かうことにした。機器がいくつかの化学信号を検出した。サンプルは豊富にあるはずだ。測定データが正しければ、収集した資源はネオムナにとって大いに役立つだろう。
タッチダウン時の評価: 初期測定では、リン酸塩の量はわずかで、ケイ酸塩で構成された網状組織が多く検出された。これらの組織は周辺の洞窟から突き出ていて、肉眼でも見ることができる。
油絵初心者としてのスキルを用いて、網状組織の色彩を表現すると、紺色、緑色、黄色だ。(注: チューブ絵の具を用いた色相の相互参照)
クリエイティブ・ライティングにおける最低限の知識を用いて、風景を描写する。見渡す限り続く融合物の丘陵一面に、色彩が波紋のように広がっている。
第一探索: 難破船に遭遇。とても古く、部品は見分けがつかないほど焼け焦げている。付近で以下の物品を発見:
- 装甲グローブ1つ: 使用不可、3本指用、そのうちの1本は向かい合わせになる。
- 装甲シンガード2つ: シンプルなデザイン、どちらも割れている。
- ヘルメット1つ: バイザーは無傷
観測記録: アーマーは塗装されている。マーキングの意味は判別できないが、意図的なものと思われる。
危険(!): 最寄りの洞窟で観察された動物相――大型、多足類、ハサミを持つ類。動物学における経験はないが、結論から言うと、おそらく友好的ではない。発見したヘルメットの独特な模様が、生物の色彩と一致することが判明した。擬態を試みたのか?
サンプル回収: ケイ酸塩構成物、2.2キロ
観測の続報: 生物は非友好的である。さらにサンプルを採取しようとしたが、知らぬ間に縄張りに侵入していた。
説: ヘルメットは擬態の試みを示すものである。私もこの擬態を使えるかもしれない。
(文書終了)