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ナクレ
どんなに完璧な真珠でも、その中央には砂粒がある。
久しいな。今一度私と楽しく閑談するのはどうだ?
あれだけのことがあったのに、もう私から連絡がないとはさすがに思っていなかったはずだ。会えなくて寂しかったぞ。お前もそうだったならいいが。
心配するな。そう簡単に私を追い払うことはできないぞ。さて、私の愛するものを見せてやろう。
時の化石となった、沈積した死石のことではないぞ? あれはもう見せたはずだ。私は奇跡的なまでに豊満であり、それと同時に空虚な、あの愛らしい深宇宙のことを話している。
聞いて驚いたか?
確かに、私はルールが改変されるのは好まないが、過ぎたことを嘆いても仕方がない。零れたレディオラリアは瓶には戻らない。それに、この出来事の核には、私への贈り物があった。
私はお前と、そして何億ものお前のような者たちと話す機会を得た。
私は広大な文明の細胞ひとつひとつに、幾度も提案しているのだ。私をそこへ入れてくれと。必要なものは持っていけ。気を休めろ。お前は自身のテロメアの劣化を止めることはできないが、その時が訪れるまでは世界の甘美な蜜を好きなだけすすることができる。
お前は他者よりも優れているからこそ存在する。必要なものは己の手で組み立てるのではなく、誰かから奪えばいい。馬鹿げたルールを守る必要はない。規制を愛してどうする? 利益になるなら違背しろ。ルールに守られなければならない者は存在するに値しない。
露骨な悪党は流行りではないと聞くが、私は気の狂った天才などではない。私は本気なのだ。お前が砂埃から昇華できたのは、その足で立ち上がったからではなく、炎を操り、冷たくなった死肉を料理するようになったからだ。これは特異な党派の英知などではなく、善でも悪でもない。真実以外の何物でもない。
この愛すべき偉大な宇宙。花々の間にろうそくの火がいくら灯ろうとも、常に衰退し、あの懐かしくも愛しいパターンを見つける。何億もの電子が最も抵抗の少ない道を進む。暗黒の中でも光の中でも、誰かは必ず私の道を選ぶ。
また近しく会おう。